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フリーライター藤谷千明の日記です

【不思議】「世界からのサプライズ動画」問題の差別問題以外の話。

世界からのサプライズ動画についての議論が再燃しています。

 

なにが問題なのかは、昨年4月に書いた取材記事の内容から、自分の中ではとくに変化はないです。

 

www.cyzo.com

 

そして、この流れでアフリカ大陸の音楽ファン有志の方が、動画撮影地とされれているザンビアマラウイの音楽を紹介するプレイリストを公開していました。ツイートのツリーにあるメッセージをぜひ読んでみてください。

 

t.co

 

open.spotify.com

SpotifyはCEOが軍事産業に投資している報道もあるのですが…(わたしは移行するのが面倒でSpotify使い続けていますが…。とはいえ「サプライズ動画を批判する資格がない」とも思わないけど)。

 

話を戻します。他媒体も問題を取り上げる記事を公開していて、流れが変わったなと思います。個人的には歓迎しています。もっと早く他媒体がさまざまな角度で批判記事を書いてくだされば(せめてBBCで類似サービスが問題になった時点で!)、有名人のチャンネルで大々的にサービスを利用してしまうこともなかったかもしれませんが。それは「たられば」なので、言っても詮無いことです。とはいえ、これはわたしの個人ブログなので、言いますけどね。

 

そして「問題」が再燃しているため、昨年自分が記事を公開したときに(自分やメディアや他の方の批判の声に)かけられた言葉たちを、また見かけるようになりました。「差別というやつが差別」「貧困にあえぐ彼らの仕事を奪うのか」「(彼らの一部は傭兵だ)戦争に行くことになってもいいのか」「(差別かもしれないが)やらない善よりやる偽善」などなどです。みなさん、それなりに真剣に言っているようです。ところで、質問です。サプライズ動画の運営も「傭兵に行かなくてすみました」とよくアナウンスしますが(最近は「人が増えたのでそうでない人も」とエクスキューズをおいてますが)、その「傭兵」たちはどこの国から雇われ、どこの戦争に行くのでしょう? 撮影地は、アフリカ大陸にある国(ザンビアマラウイ)だそうですが。アフリカ大陸と傭兵で検索すると真っ先に出てくるのが、ロシアの軍事民間会社ワグネルがマリを中心に勢力を拡大しているニュース。

 

www3.nhk.or.jp

 

ただ、ザンビアマラウイからはマリはかなり距離があるんですよね。アフリカ大陸クソでかい。メルカトル図法の罠。だから、ここを「アフリカ」と一言でまとめていいものなのか。他にも「傭兵ビジネス」はどのくらいあるのかも想像もつかない。これからわたしなりに調べていきたいです。本当に無知です。まあ、わたし以外も似たようなもので、「このサービスがなくなったら戦争に行く人が増えるかも、どうするんだ」という人は結構いらっしゃいますが、Twitter上では具体的な説明をしてくれません。ほぼ全員「アフリカ貧困戦争」的な、ステレオタイプを消費していたうえの発言のように思えました。なお、一連の流れにキレ散らかしているわたしを見た知り合いから、「〈動画に出演している人たちが傭兵になること〉と〈日本人が差別的な動画をチャリティと称して楽しむこと〉は別の問題だろバカ」と指摘されましたけど。ええ、わたしも含めて(日本の)登場人物全員バカだとは思います。でも世の中の大半はバカなので。残念でした。

 

さて、バカなりにインターネットを眺めているわけですが、ネットニュースに掲載されてる「世界からのサプライズ動画」の運営団体のコメントや、SNSでの対応を見ていると、平たくいうと「拙い」んですよね。これまでよりも大きな批判が生まれ、逃げ切れなくなったわけですが、公に向けての対応がまったく洗練されていない。彼らの動画は差別的ではあるが、「狡猾な悪」ではないように見える。これはこれでレッテルに近いけど「闇バイト」に手を染めた人たちのことを思い出します。(彼らのやっていることは犯罪ではないので、完全に重ねてしまうのはよくないし、するつもりもありませんが)

 

まーた話変わるんですけど、数年前にひょんなことから(ひょんなことからって何?)今でいう闇バイトの片棒を担いでしまった人とやりとりしたことがあるんです。そのとき、その人が口にした「(士業の人もいたし)いいことをしてると思ってた」という言葉がずっとひっかかっているんです。本気でそう思っていたのか、そう思い込むことで安定を図ろうとしたのか、わたしに対してなにかごまそうと思ったのかは、わかりませんが(っていうか、他人の内面などわからんに決まってるので、サプライズ動画の出演者たちに「彼らは納得してやっているに違いない」と自信満々に言える人たちの気持ちも、本当にわからないンゴねぇ)。

 

そして、サプライズ動画運営団体のメディア対応してる人の中には顔や名前が出てる人もいます。でも、盛り上がってるサービスのわりには「表に出ている人」が少なすぎる気がします。気のせいかな? それは「本当は良くない」と踏んで、リスクをとっている人がいるからでは? この心配は、杞憂で終わればいいのだけど。(まぁ、そもそもが大きなお世話なんだけどね)わたしは別にこの人たちを「懲らしめたい」から記事を書いたわけではいから。できれば誰も不幸になってほしくないよ。

 

ちなみに、今回批判が盛りがってるのは、有名人がきっかけというのもあるけれど、単にブームが終わったという面もあると思いますよ。やれやれだ。この動画サービスが廃れたとき「人権派によって潰された」「差別だと書き立てたメディアやライターのせいだ」と言われるのかな。そのとき槍玉に上がるのはわたしなのかな。未来のことは誰にもわからないですからね。

 

で、さらに余談なんだけどさ、さっき書いたような「やらない善よりやる偽善」、「差別を指摘してるやつが差別(ポリコレ野郎(雑概念)の方が実は悪いことをしている)」みないなの、ああいうのに惹かれるのって、わたしの世代というか、90年代末〜ゼロ年代前半くらいのインターネットに自意識を置いたまんまにしてる人ですね(わたしもわりとそうです)。で、そういう人はこの件に噛みつきがち。こんなふうににね。

 

 

大人気ないかもしれないけど、せっかくなのでこの人とコンタクトを取ってみようと思ったんです。たくさん似たような人はいるのに、この人である理由? 人の名前使って堂本かおるさんに当てつけってか嫌がらせしてるからですよ。テメーなにしてくれてんだ。でも、ブロックされちゃった。見せて欲しかったですね。今流行りの「ポリコレ」をギャフンと言わせる「論破」ってやつ。残念。冗談はさておき、わたしはわたしでサプライズ動画批判記事に関して「いいことしてる風のやつらが気に入らねえ」という瞬発力で行動をおこした部分もあるんですよ。だからこそ、こういう人たちと、わたしを分けたものはなんだろう。自意識の出身地は似ているはずなのに。だからこそ、知りたかったんだけどな。

 

この本は買いました。読むぞい。

 

じゃあ、またね。