3月20日、阿佐ヶ谷ロフトAで行われた「宇野維正 × てけしゅん(伏見瞬・照沼健太)音楽情報 カルチャー系ジャーナリストはYouTubeとどう生きていくのか」にいきました。その後、ツイッター上で荒っぽい形で意見表面をしてしまったので、その件についてまとめます。
後半の質問コーナーなどで具体的なYouTubeのはなしが出てたのでよかったです。その一方で終盤のなにか「わちゃわちゃ」した流れで、まーーーだ春ねむりさんのお名前出して擦ってるのは本当にクソ最低で(だって春ねむりさんに非はいっさいないじゃないですか)途中で帰ってよかったなと思いました。 https://t.co/spUoDR5j1g
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月21日
このツイートのとおり、わたしはイベント途中(前半終了の休憩時に)で会場を抜けています。その後、会場チケットについていたアーカイブ配信で後半部を視聴しました。聞いているうちに、出演者にクレジットされていない(ツイッター上で飛び入り参加することは匂わされていたようです)、田中宗一郎さんが登場し、春ねむりさんに言及し、その後の宇野さん、伏見さんも含めた態度に疑問を持ちました。ツイートした通り「最低だな」と感じました。
この投稿のあとに、出演者のなかで唯一友人関係にある伏見さんから「最初からツイッターに投稿するのではなく、まず自分に問題点を伝えてほしかった」「投稿するのなら〈わちゃわちゃ〉〈擦る〉〈クソ最低〉といった抽象的な言葉で批判してほしくなかった。問題点は丁寧に説明してほしかった」といった趣旨の連絡がきました。
その話を持ち出したのは、伏見さんではなく田中さんなので、伏見さんを苦情窓口にするのは違うと考えたので、投稿させてもらった旨を伝えました。また、これは結果的に「友人である伏見さんを信用してない」という態度になるので、少し反省していますが、自分の経験上、こういうときにポジション的に〈後輩〉の立場にある人に伝えても、わたしの意見はその通りに届かない。〈目上の人〉はそういった〈後輩〉の意見を受け入れるケースは少ない、あるいはそもそも〈目上の人〉には言わずにそこで止まる可能性もある、言葉を選ばなけらば〈丸め込まれるかもしれない〉という危惧がありました。これは「信用していない」と思われても仕方ないです。
〈わちゃわちゃ〉という言葉に関しては、これでも表現は選んだつもりでした。「ボーイズ・クラブ」「ホモソーシャル」「ハラスメント」など、(わたしの考える)拡散性の強い言葉は避けました。たしかに、〈クソ最低〉は手元が狂った感はあります。これはネットミーム的な表現を使うことに慣れきっている自分の落ち度です。ただ、その後のツイッター上における伏見さんの態度には疑問が残ります。端的にこの投稿は、事実と異なりますので。
お名前だしたのは私ではない(ちなみに宇野さんでもありません)ですが、その後言葉を繋げた者としてお伝えすると、私に春ねむりさんを侮辱したり弄ぶ意図はありません。出演者の中でもそのような意図があったわけではなく、「擦る」ということはしていないかと存じます。… https://t.co/oKL9cdzU9S
— Shun Fushimi 伏見 瞬 (@shunnnn002) 2024年3月21日
宇野維正 × てけしゅん音楽情報 カルチャー系ジャーナリストはYouTubeとどう生きていくのか - Premier Live
アーカイブ配信を聞き返しました。有料配信の書き起こしは慣習的にNGとされていますが(イベント中に出てきた「因習村」のような慣習ですよね。因習村って表現、わたしは個々の作品の機微を失う言葉だと思うから作品を語る際には使いたくないけど、今回は使いますね)、最低のやりとりは書かせてもらいます。ただ「切り抜き」的な印象操作にも見えてしまうと思いますが。だから、これが正解な情報というわけではありません(アカデミー賞での俳優たちの振る舞いの理由が、映像だけではわたしにはわからないように)
(AM9:12に加筆:「有料配信を書き起こし」という倫理自体を因習というのは言い過ぎという指摘がありました。そうですね、ここは言葉足らずでした。「問題点の指摘のためにであっても」を付け加えておきます。書き起こしは公開しないでほしいと事前に伏見さんから伺っていました。法には触れないけど、お金を払っているお客さんのために公開しないほうがいい情報、たとえば、Perfumeやゴールデンボンバーのライブセトリはネタバレになるからツアーが終わるまでSNS上で公開しない…などは「因習」だとはわたしも思いませんし)
なお、春ねむりさんと宇野さんのやりとりの経緯は、春ねむりさんご自身がこのように記録しています。
長くなりましたので文章を画像にまとめたものも掲載しておきます。@uno_kore @shiba710 @LOFTch pic.twitter.com/2ZYms1CFVs
— 春ねむり HARU NEMURI (She/Her) (@haru_nemuri) 2022年9月2日
田中さんが「宇野さんはここしばらく調子が良くなかった(※これはわたしの意訳です)、じゃないと春ねむりをディスらないよ」といった趣旨の言葉を宇野さんに投げかけました。そこに伏見さんは即座に「懐かしいね」と応答しています。その後、配信のコメント欄でも春さんのお名前が出たようで、それを見て宇野さんは「ネタにしないでほしい、洒落にならないんだから(※これはわたしの意訳です)」とおっしゃり、それを受けて伏見さんは「じゃあ春ねむりとYouTubeやればいいじゃないですか」「俺は春ねむりさんと話せますよ」と続けています。まあ宇野さんと伏見さんでは春ねむりさんとの関係性が全く違うので、この段階で「話せますよ」はあまり意味のない発言だと思いますけど。また、このやりとりのなかで、照沼さんはずっと口をつぐんでいたことを付け加えておきます。
伏見さんは弄るつもりはない、とおっしゃっていましたが、あくまでわたしの受け止め方では伏見さんの「懐かしいね(※わたしの印象的には「懐かしいネェ!」くらいのテンションです)」の時点で弄ってるでしょう、擦ってるでしょう、という印象はぬぐえません。今でも意見は変えられないです。
この発言はあまり正確ではなくて、「最初に話を始めた」のが宇野さんではない(飛び入り参加した田中さん)だけで、「言葉を繋げた」という伏見さんの発言は「懐かしいね」です。この時点で「弄る意図がない」というのは個人的には後付けのように感じます。なおその後3回伏見さんお名前出してますよ。 https://t.co/Z6GoM31xrM
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月22日
だから「お名前出したのは私ではない」という文面からは言及してないようにも受け取れるので事実と異なると思いました。言った言わないの話になってしまいますが。「ネタにするな」という宇野さんに対して「じゃあ春ねむりとYouTubeやればいい」という伏見さんの発言はわたし的には「擦ってる」です。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月22日
だから最初の「火消し」的なツイートは、わたしが大袈裟なこと、あるいは勘違いをしてるように見えてしまうんですね。誰かを半ば嘘つきに仕立てあげても、守りたい人や場所があるのであれば、それはそれで(あまり支持はできませんが)ひとつの信念だと思うので、信念を持ってやり続けてください。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月22日
そして、わたしがSNS上で春ねむりさんに対してこのような「蒸し返し」ともみえる言及の仕方をしてしまったことは、春さんにもストレスを与える結果になりかねないので(わたしが反対の立場だったらストレスを感じると思うので)、そこは申し訳なく思います。ではどういった形が最善だったのかは、まだ思いついてないですが。
具体的なやり取りを知らないので断定的なことを言えないんですが、「名前を擦ってる」と人が見て思うやり取りだったのかな〜という前提で
— 春ねむり HARU NEMURI (She/Her) (@haru_nemuri) 2024年3月21日
宇野維正さん、自分のクソ言動には一文の釈明も謝罪も書かず連絡もして来ないのでまだなにも解決していないということは書き記しておきます https://t.co/ngfdfozXxq
微塵も解決されていない事項に対してどういう根拠で「懐かしい」と仰ったのか知らないですが「宇野さんが無対応なのは通常運転だし受け入れてなあなあにしとこう」にしか見えないです 体制の温存ですね
— 春ねむり HARU NEMURI (She/Her) (@haru_nemuri) 2024年3月23日
そういう場にコミットしていることについて省みて考えられてはいかがですかとしか言えないです https://t.co/g3RE5RPdna
伏見さんは、春ねむりさんと「話せる」とおっしゃっていましたが、呼びかけにはとくに応答されていないようですし。とはいえ、公開の場でやると意図せぬところでこじれることもあるでしょうし、「今すぐ直接やりとりする」ことだけが最善策ではないとも思います。とはいえ、「こないだの言葉はなんだったんだ」という印象は持ちます。
(AM:923 加筆修正)
伏見さんから、「応答はしています」とご連絡いただいたので、該当ツイートを追加します。
温存したほうがいいと思うものは温存し、変えた方がいいと思うことは変えるようにしています。今回の件は反省する点もありました。
— Shun Fushimi 伏見 瞬 (@shunnnn002) 2024年3月23日
番組全体としては有益な内容だと思いますし、瑕疵はあるとしても、全体として恥ずべきものではないと考えています。是非多くの方にご覧いただければ幸いです。
主語がなかったので、これが「春ねむりさんへの応答」と気が付きませんでした。(お客さんやフォロワーにむけているのだと思ってました)そしてやはり「こないだの威勢の良さはなんだったんだ」という印象は持ちました。
(先日のイベントとは別の話かもしれませんが)、宇野さんに対して「春ねむりとYouTubeやればいい」で、春さんにも謝罪ではなく「宇野さんとYouTubeやってください」でないと笑いとして成立しない、ただの陰口のように思いますが。 https://t.co/qzvlRKviDN
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
わたしはライターをしていますし、同じ媒体(リアルサウンドとか)で書くこともありますが、宇野さんとは関わりあいはありません。なので完全に外野からの見方になりますが、春ねむりさんとのやり取りに関しては、春ねむりさんに一切、否はないように思います。そういった状況下でわざわざ名前を出すことは、「有料の居酒屋的なトークイベントの空気」をもってしても看過できないと感じました。かつて(2000年代くらいまで)は「ロフトプラスワンでの会話は地上に持ち出すな」という不文律があったと思います。ただ、現在は配信もありますし、そのかぎりではないと思いました。まあ空気が読めてないといわれたらそれはそうですね。水をさしてしまってすみませんでした。
なぜここでわたしがくどいくらいに言及しているかというと、この一連の流れには、イベント中に言及されていた「因習村」のようなふるまいがあるからです。真っ先になかば嘘に見えてしまうほどの言葉を使って、わたしの話を矮小化しにきた、あなたが、あなたたちが。書いていること、言っていること、やっていることに齟齬がある。人間なので矛盾があるのは当然だとは思うけれど、それにしても、です。それで批評とか文学とか言われても、それは批評や文学に失礼だと思います。
余談ですが、わたしは宇野氏の過去の発言をネットミーム化して公開の場であげつらうようなSNS仕草には反対の立場です。みんな真面目に扱うべきことは真面目に扱って欲しい。そして文筆の仕事で書いてることや言ってることと大きく矛盾する行動をするのは違うのでは、というだけの話です。 https://t.co/ZXTaCH417k
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月22日
この「フォロワーさん」はわたしなのですが、宇野氏の発言をネットミーム化して公で茶化すことにはずっと反対しています。ちなみに「好きじゃない」「当然ブロックされてる」部分はわたしの発言ではないです。(ブロックはされていませんので) https://t.co/hdDYJCu1x6
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月22日
また、わたしは宇野さんの「炎上」発言をネットミーム化して「弄る」ことも反対の立場です。「いうほど権威ではない」という表現は失礼かもしれませんが、政治家のような公人でもなく、一介の文筆業・おそらくは個人事業主じゃないですか。「音楽・映画ジャーナリズムの世界でちょっと名のしれた方」くらいの人に対して「公で」そこまでやっていいのか? という疑問はずっと持っています。
SNSで「東京の女の子どうした?」的な言葉を何度も繰り返している人も、一人ひとりは軽い気持ちでやっているはずです、ただ、それが一度に来るとダメージは大きいと思います。
宇野さんの振る舞いや発言は批判されてしかるべき部分はたくさんあります。でもそこで茶化しや揶揄に終始してしまうと、どんどん問題点は曖昧になってしまいます。きっと宇野さんは今自分の行いに対して、どの部分が問題にされているのか、わからなくなってるのはでないでしょうか。「また〈炎上〉した」としか受け止められないかもしれません。あくまでわたしの憶測になりますが。
〈炎上〉〈炎上キャラ〉〈炎上商法〉という言葉が覆い隠してしまう現象がある。アイドルの恋人発覚も、ミュージシャンのリベンジポルノも、映画監督の性暴力も、芸人の政治的発言もすべて〈炎上〉になってしまう。個別の問題が有耶無耶になってしまう。SNS上の空気に流されずに、一つひとつの問題を考えるべきです。というか、イベント自体がそういう趣旨の話をしていたようにも思えますが、やっぱり言ってることとやっていることが異なっているように思います。
トークの内容は、「なるほどな」と思える部分はたくさんありました。そこはやはり優秀な編集者や書き手の方々だな、と思います。だからこそ、愚痴っぽいガス抜きのような形ではなく(※個人の感想です)、もっと「仕事」でそれを表現してほしいと思いました。
わたしもそうありたいと思います。がんばります。
(AM6:50に照沼さんの投稿に気がついたので、追加します)
「ここでしかできない話」という発想はもう止めるべき。
— 照沼健太(てけ) (@TeKe0824) 2024年3月24日
というのが今回の僕の反省というか提言です。
"サービス精神"的に過激なことを言おうとしたり、誇張したりするのはやめましょう。
今後トークイベントに価値を作るのは、そういうものじゃなく、お客さんとの相乗効果だと思います。
最後に、今回の件で、「直接対話を」という提案は他の方からもいただきました。気を使わせてしまって申し訳ないです。ただ、わたしには「対話を」という言葉に少し忌避感があります。これはわたしの事情なので、わかってくれとは言えないです。
そのことはこのツイートに書きました。
ちょっとまた面倒な話で恐縮なんですけど、「会って話そう」「対話しましょう」に的な対応について、自分はかねてから忌避感を持っているので、その理由の話をします。一昨年、女性用風俗キャストの労働問題や一方的にイイ話的に持ち上げるメディアや書き手、学者などに言及する記事を書きました。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
この記事です。この記事を出してから、本文中でお名前を出して批判した菅野久美子さんと当時イベントで共演していた方々から、ブログで「記事を出す前に対話すればよかった」というご指摘や、メールで「私たちのイベントで直接話しましょう」というお話をいただきました。https://t.co/CwqVH8weik
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
文筆業であるのなら、公の場で文筆でやり取りすべきだと思いました。わたしは一昨年の段階ではトークイベントにそこまで慣れておらず、数名対1になってしまいます。それは対等な言論の場ではないように感じたのと、コロナ禍ということもあり、お断りしました。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
先日、仕事上の必要があり、昨年電子書籍で出た、菅野久美子さんの女風ルポ本「私たちは癒されたい 女風に通う女たち」を拝読しました。そこには、どう見ても先程の記事を参照したとしか思えない箇所がありました。それ以前の本では経営者を絶賛していたのに。 pic.twitter.com/u3qglo9ooG
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
もちろん参考文献などのクレジットはありませんし、これまでご自身が絶賛してきたふるまいへの反省もありません。文筆業にとって、公で発信された文章が「いちばん」責任を持つものであるお思っていました。水面下の根回しなんて必要ない。でも、なんだか世の中はそうではないようです。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
根回しでごまかしていい、それがダメならあとから取り繕えばいい。そういうのが全部「無理」になってたので、ちょっとここ数日、落ち着きのない行動をとってしまいました。言ってるわたしがTwitterばっかやってるのもよくないから、文章でがんばります。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日
あと他の方のお名前を出してないのはフェアではありませんね。メールを送ったのは牧村朝子さんで(わたしの当時のツイートを消してくれと言うご相談もありました)、ブログはレズッ娘倶楽部という風俗店の御坊さんです。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年3月24日