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フリーライター藤谷千明の日記です

「私ヤバ言」日記(2021.11.27)

同年代の女友達同士で「私の言動(※SNS含む)がヤバいと思ったら言ってね」協定を結んでいる。

年齢による立場の変化や時代の価値観の変化により、昔はアリ(あるいはセーフ)だったものが、今ではナシ(アウト)になることは多々ある、そういった空気に対してできるだけ敏感でいたいものの、当然ながら、自分ひとりではつかみきれない。

年齢を重ね、「上の立場」に立たざるをえないことも増え、気がついたら自分より立場の弱い者に対してハラスメントしているかもしれない。またはSNS上で差別的なふるまいをしているかもしれない。もちろん、自分では気をつけてはいるものの、差別やハラスメントはたいてい無自覚に行われるので自分では気づかないものだ。

身近なところでも、知人のSNSの発言がどんどん極端になっていくのを目にしたり、女性上司→男性部下のセクハラ問題の話を耳にしたりと、「明日は我が身」という恐怖もある。人間どこでバグるかわからへんからね。

と、いうわけで上記の協定を結ぼう、という話に至るのであるよ。感覚としては、「ゾンビになったら撃ってくれ」、あるいは「寝たら死ぬぞ」に近い。

しかし、この協定、なかなか運用が難しい。

(1)とはいえ人に意見するのはしんどい
(2)指摘する自分の方が間違っている可能性もある
(3)このリスクやコストを負担していいの相手じゃないと結べない
(4)という時点である種、人をジャッジしてるというのがしんどい

(1)に関しては、「〈協定〉結んでるから言いますけどね…」と、切り出せるというのはある。相手も受け入れる腹がある。なにもないよりは言いやすいので。

(2)は、これは自分のほうが世間的に見て「おかしい」判断だった場合、どうすんだ責任取れるのかいう話。そして(3)と(4)は、「私ヤバ言」は、対人関係において、かなりの「重さ」があるムーブだという話であるよ。

また、ネット上で「私ヤバ言」と言っていたひとに実際に「ヤバ」を伝えたところ、関係がこじれたという話も見かけた。「私ヤバ言」協定を結ぶということはお互いに「自分は“まだ”セーフである」と思ってる前提なので、マジで指摘されたらその前提が破壊されて2倍ショックだろうよ……というケースも想像できる。もう天を仰ぐしかない。

我々は「ヤバ」から逃れることはできるのか。まあ多分無理だと思うので、適度な軟着陸を目指したいものですね。あーあ。