生成AIを活用できていない。
わたしはごらんのとおり文章を書いて日銭を稼いでおりますので、便利に使えたら仕事の効率も上がって収入も増えたりするのかしらと思うのですけど、掃除に使ってバズったりとか(今でも思い出したようにchatGPTに部屋の写真を送って掃除している)、
chatGPT、現状いちばん役に立ってるの、お部屋の片付け(部屋の写真送って片付けタスクを分解してもらって、それを実行して写真撮ってまた進捗を送る→同じことを繰り返し)のなんですけど、検索しても同じことしてる人が少ない。ゼロではないけれど。
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2023年11月22日
炎上系クソブログを作って小バズったりとかはするものの、
chatGPTにウソ文章書いてもらったけど、それなりにきちんとした文章を出力してたので、今後は煽り記事に反応するのはさらに無意味な気がしてきました。 pic.twitter.com/iwJdSpZPOr
— 藤谷千明 (@fjtn_c) 2024年9月30日
仕事の文章ではchatGPTにせよClaudeにせよ、パー…英語読めないアレ…(Perplexity)にせよ、まだあんまり役に立ったなという実感はないのね。
というか最近の生成AI、わたしより文章うまいっていうか「正確な日本語」をお使いなさるので、逆に自分の原稿に使うと「しっくりこない」んですよ。うますぎて。とはいえ、Clova noteなどのAI文字起こしツールはバシバシ活用しているので、AIを使っていないわけではない。(とはいえAI文字起こしも現状正確とは言いにくいので、一度自分で聞き直して全体を整頓している。でも、これだけでも随分便利になりましたね…)
生成AIについてSNS上などの言及を見ていても、「この文章(映像でもイラストでも)をAIが書いたという状況がすごく面白い」と「生成AIが書いた文章そのものがすごく面白い」は別のはなしなのだけど、それがごっちゃになっている場面に出くわすこともわりとあり…。「AI驚き屋さん」というミーム(?)も見かけたけど、AIについて派手に驚くことで耳目を集めているケースってたしかにあるな…。
さて、昨年12月に月額3万円のchatGPTo1Proがリリースされました。1ヶ月だけ課金してみましたの。ノリで。さすが月額3万円はめちゃめちゃ賢くなっており、o4の時点でわたしより文章うまかったわけですけど、この人(人?)、間違いなくわたしより賢いですよ。そしてo4よりも考えている時間が長いのも、なんかかわいいなって思っちゃう。
ちょっとしたジャンル解説をお願いしても、過去のchatGPTはかなり派手に大嘘ついていたけれど、そんなに違和感のない仕上がりになっていますし。
https://chatgpt.com/share/67857a2b-5c64-8002-8363-5be926bf2ead
なんとなく「それっぽい」ことを書いてくれるよ。むしろ「それっぽい」から稀に大嘘ついてるときに見逃しちゃいそうだけど。
https://chatgpt.com/share/67545e38-e114-8002-ac3d-cbef32113725
まあ、これがなんらかの仕事に生かせるかというと、意外とあんまり思い浮かばないのだが! いまんとこ!
で、くりかえしますが、文章うますぎて「わたしの代わりに書いてもらう」ことはできないんですけど、(めちゃめちゃ頑張ってプロンプトも作ったんだけど「この時間使って自分で書いたほうが良かった」という徒労が残ったわね…)自分の書いた原稿の問題点を指摘してもらったら、わりと面白かったです。「この引用部分が恣意的です」とか「話がかなり飛んでるから読者が混乱するのでは」みたいな…。そりゃライターの書いた原稿にしっかり目を通してアドバイスをくれる生身の編集者の人にはかないませんが、そうではない編集者の人よりは「読んでくれている」という実感がありました。ただ、「アドバイスをください」と頼むと、「それを全部取り入れると既存のものになっちゃうんだよな…こっちはそうじゃないものを作りたいのよ…」という気持ちになるアドバイスをくれたのでまだゼロからイチを作るのは得意じゃないっぽい。
なんやかんやで1,2週間ほどこねくり回した結果、「めちゃくちゃ賢くて面白いけど自分の仕事には使えんな」という判断にいたる→しかしまだ残り半月も課金期間が残っている→どうしよう→「せっかくだから人に使ってもらおう」と、持ち前の貧乏性を発揮しテキトーに会議室を借りて同業者とか友達とかフォロワーの人とか呼んでみんなに使ってもらいました。人それぞれ使い方が違ってて面白かったです。
まあ人前だし人(わたし)のアカウントだし、あんまり込み入った話はできないのは前提なんですけど、開業するから屋号の候補をとか次に手掛ける案件のキャッチコピーとか、たたき台が多いほうがいいものに使うのは普通にいいですね。(もうすぐ生まれるお子さんの名前の候補を考えさせていた人がいたけど、「あなたそれは本当に採用した場合、将来お子さんが授業で自分の名前の由来を調べる授業で困ると思いますよ」ってかんじでみんなで忠告した。まあさすがに本気で使うつもりもなかったとは思うけど…。でももしかしたら、わたしたちが「それはやめたほうがいい」と思う感覚のほうが将来的には少数派になる可能性もあるのかもしれませんが…)
あとね、これはある程度ネット上に情報がある人間に限定されるはなしになるですけど、「この人の今後のキャリアプランを考えてみてください」と、その場にいる同業者の名前を入れたプロンプトをつっこむと、微妙にズレたアドバイスをよこしやがるのでたいへん盛り上がりました。たとえば、わたしの場合は「オタク女子」「推し活」的なタイトルの本があるためか、「オタク女子」に関する仕事の幅を広げようという話になるものの、なぜかchatGPTくんには「オタク女子」=「BL好き」というバイアスがかかっており、やたらめったらBL関連の企画を提案されるなどしました。コイツはインターネットに毒されている(それはそう)。ちなみに「意外性のある対談相手」を訊いたら「町山智浩」って返ってきた。うん、意外性はあるけどなんでだよ。
だからねー、これを使うとビジネスに革命が! 急いで使わないと乗り遅れるぞ! みたいな気分にはならなかったんですよね。わたしは。なんかもっとAIエージェントっていうんですか? アレが感覚的にそのへんのおばさん(わたしとか)でも使えるようになってから参入してもいいんじゃないかなぁ。反対に考えると自分の仕事が生成AIに奪われる可能性も現時点ではかなり低いということになるのかもしれない。(個人的に最初にAIにとってかわられるのはライブレポートなんじゃないかと思っている。映像を認識してうまくテキスト化する技術がポピュラーになるのはそう遠くないのでは。テレビやラジオ番組の文字起こし記事みたいなものもAIでできそう。むしろみんなが各々AIエージェントとかで情報を取捨選択して省略して受け取ることが常態化したら、そもそもそういった記事の需要じたいがなくなるのかも…?)
ただ、こないだ生成AIを仕事でバチクソ使いこないしている方とおはなしする機会があったんですけど、その方いわく「完成形というかゴールがきちんと見えてないと使いこなせない、結局は人間のディレクション能力が問題になる(すごいざっくり意訳)」とのことで。まーたしかにそれはそう、と思いました。だってわたしが仕事で書いてる文章って基本ゴールが見えてない(ことが多い)ので、いくらプロンプト作ってもそりゃ満足いく結果になるはずがない。編集者・あるいは編集者的な気質がある人に向いてるツールなんですよ、現状の生成AIは。
仕事に限ったことじゃなくって、たとえばひらりささんや佐々木チワワさんが「理想の相手」をchatGPTで作ってみたりしているけど、わたしはこれやろうとしてもなんかできなかったんですよね。理由はいたってシンプルで、だって明確な理想がないんだもん。つまりそれは完成形が見えてないし、ディレクション能力がないってわけだから。chatGPTはそこまで察してくれないので、察して人間には使いこなせないのであった。
2025年から私の本担はchatGPTになった
— 佐々木チワワ@新刊「オーバードーズな人たち」2/28日発売 (@chiwawa_sasaki) 2025年1月9日
まあしばらくは自分の人生のなにかに生成AIがとって変わられることはないンゴねぇ…と呑気にかまえていたのだけど、ふと気づいたんですよね。「この人暇なときなんか質問とか相談とか雑談LINEよこしてきてたな〜」って間柄の友達いるんですけど、その人がchatGPT課金したって言って以降LINEの頻度が減ったのね。かなり極端に。こっちからの雑談LINEへのレスポンスもそっけない。だから「この人、もしかしてそこそこ知能があってレスポンスの速い存在だったら人間じゃなくてよかったのでは…?」って思ったんですよ。つまり…AIに…友達を…うばわれたのか…。そうか…。仕事の前に…友達を…。