fjtn_cの日記

フリーライター藤谷千明の日記です

【雑感】最近のTwitterの推し活語り、消費者フェミニズム、あと、6月イベントの感想の「解釈」の訂正、その他

こんにちは、藤谷です。タイトル難しいですね。

 

6月25日に東京・LOFT CAFE in you rroomで開催された「語る、松永天馬」で、わたしの話したことが、少し違った形で「解釈」されていたので、少しこちらのほうでも言及させていただきますね。

 

※ここから、イベントの書き起こしをもとに、わたし(藤谷)が文章を整えた記録になります。

松永さん:劇団雌猫さんというサークルが、「浪費」をテーマにして同人誌を刊行、「浪費図鑑」という本に対して、サブカル界隈で話題になるんですけど、これを含めて…(お話していただきたい)。

藤谷:様々な対象に使っているお金、浪費の話はインターネットでやりにくい、差支えがある。だからこそ、紙の本でやろうというコンセプトだったはず。元はコミケで頒布された同人誌が話題になって……(サブカル界隈というのは)菊地成孔が褒めた……とかですよね。

松永さん:基本的に女性しかいないサークルですよね。推し活に対して肯定的であると。めりぴょんさんは雌猫さんのことは……?

めりぴょんさん:ぬるい!

(会場ざわつく)

めりぴょんさん:そもそも、結局、劇団雌猫のひとたちは広告代理店の人なんです。

藤谷:それは違いますよ。友達なんで、大体のプロフィール把握してますが、広告代理店勤務の方はいないはずです。

めりぴょんさん:じゃあ、それは多分、周辺の違う人だわ。失礼しました。

藤谷:本人のプライベートのことをいうのはわたしは違うと思う。いくら配信がないといっても、40人いたら「オフレコ」ではないので。ただ、スタンスが広告代理店的だ、ホイチョイプロ的だっていう指摘であるならば、(めりぴょんさんの仰る意味は)理解できます。

松永さん:そこに菊地成孔さんが結びつくのはわかります。

藤谷:そこで結びつく理由がむしろ知りたいです。


(以下、松永さんにより菊地成孔さん論)

 

藤谷:だから、阿佐ヶ谷ロフトイメージキャラクターインタビューでもおっしゃっていたけど、「推し活的な浪費は自傷だし、実家に帰って親とかに〈いつまでも顔のいい男ばっかおいかけて、どうすんだ〉って言われた時に、劇団雌猫さんたちの発するメッセージでは対抗できないというか、そういう場所には通用しないという(主張ですよね?)。

松永さん:めりぴょんさんは、今の推し活ブームがポジティブな面ばかりピックアップされている。そんなきれいなものだけじゃないという世界観なのかな。

藤谷:そして、ブームというものは、さっきおっしゃったような、広告代理店的なもの、資本主義的なものと、結び付きやすいから。「誰が得をするのか」ということですよね。つまり、ファック・ザ・バビロンっていうことですよね。

松永:ファック・ザ・歌舞伎町タワーということで。

 

※書き起こしここまで。

 

まったく内容が反対になっちゃってるんですよね。もちろん、配信もないですし、記憶で書いていらっしゃるので、「解釈」のズレは起こると思います。ただ、ここまで反対だと、困っちゃうな、と。わたしは事実誤認と、他人の公開していない情報を出すことを咎めていたわけです。「友達づきあい」の話しは一切していないつもりでした。「友達だから」という発言は迂闊だったかもしれません。「〈友人だから〉人となりを知っている、そんなつもりじゃないと思うよ」というナアナアな関係性を表す意味の発言をしたつもりはないです。多分、知らない人の個人情報でも窘めたと思います。


イベントの感想や解釈は自由なので、「消してくれ」とは思いませんが、まったく反対の内容で、わたしの発言として情報が残されてしまうのは、わたしとしては、少し困ってしまうので。(こういった書き込みをソースに、「あのとき藤谷さんはこう言ってた」みたいなことを言われることは、たまにあるのです。めんどうだけど、それもそれぞれの「解釈」だから、しかたないかもね)イベント運営側の許可をとってこちらも、記録を残させてもらうことにしました。今後、その都度訂正するのも手間ですし。

 

と、いうわけで、これはわたしが「なんか、のちのち面倒なことになったらイヤだな〜」と思ったので、ほかの誰にも相談はしておらず、独断でやっております。ご了承くださいませ。


さて、推し活ブームの反動と呼べるような空気が最近漂っていますよね。その、うしろめたさからか「戦犯探し」をしているような風潮を感じます。その対象が、推し活文化のことを書いていた個人たち、というのも、ちょっと奇妙なところではありますが。わたしは「全員悪い」はもちろん思考停止だけど、ズレた「アイツらが悪い」も違うと思うかな。

そして、この問題に関して、水上文さんの「〈消費者フェミニズム〉批判序説 」(ユリイカ「女オタクの現在」収録)がSNS上で引用されているのも、けっこう目につきました。

 

オタクの消費行動への肯定が消費者フェミニズムのバックアップを受けて正当化されていく時、女と経済の問題はどうなるの
か?

これは、とてもむずかしい問いです。わたしも答えが出せないです。

 

現在、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSにて、水上文さんの批評ワークショップが開催されています。

www.shibuyabooks.co.jp

 

SPBSには、堀江貴文さんが大きく関わっているのは有名な話です。氏の著書「好きなことだけで生きていく。」(ポプラ社)にも、このような記述があります。

 

つまり、企業イメージが良いと優秀な人材も集まってくるというわけだ。この方法は、ぜひとも参考にしてほしい。  僕だって、〝奥渋谷〟(渋谷区神山町)で「 SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」( SPBS)という本屋さんの経営に携わっている。ここは「書店」に、「出版」「物販」「ブランド運営」という機能も加わった「メディア」(媒体)と認識してもらっていい。目指しているのは、「人と物と情報と文化の交差点」のような会社だ。  このように、書店は「本」というモノを売るだけではなくメディア、さらには文化のハブ(中心・中枢)となる可能性を秘めている。  極端なことを言うと、「書店」という場がメディア的にうまく機能してくれて、高い宣伝効果をもたらしてくれたら、書籍販売からの収益なんて、非常に小さい話になる。

 

この場所で「よい仕事」をすることで、イメージが良くなる。高い宣伝効果を呼ぶ。「新しいビジネス」として、堀江貴文さんもニッコリかもしれませんね。

 

つまり、水上さんの今立っている場所は、新自由主義の権化のようなカリスマのバックアップを受けて作られた、「批評」の場です。(これは正直、Twitterスペースでのガイダンスなどにおける、SPBSの加藤さんの振る舞いにも、少々疑問を感じています。「わたし」と「あなた」の「あなた」には、加藤さんも入っていると思うので)

 

 

 

これは、水上さんに対して「ブーメランですよ」というより(それは少し思うけど、それが「1番言いたいこと」ではないです)は、この社会の中で「消費主義」的なものからは、誰しも程度の差はあれ、逃れられないようですね、じゃあどうしましょうねといいたいかな。ファック・ザ・バビロンというのは簡単なんだけどねっていう(わたしもね)。「消費者フェミニズム批判」は「序説」でしたし、いつか続きが読みたいものです。

 

 

SPBSの批評ワークショップの価格はAコース10万円、Bコース7万円、Cコース3万5千円です。講師の謝礼を考えれば間違いなく妥当、「適正」価格です。Aコース以外は添削コースはありません。オンライン受講生は添削コースをうけることはできない。そこに「特権」はないのでしょうか。東京の、豊洲に、毎月足を運ぶことのできる、「特権」です。

 

ちなみに、ワークショップというか、わたしも数年前に自前で会議室借りて、編集さんとライターさんを呼んで、勉強会的なイベントを企画したことあるんですよ。自分も勉強になったし、楽しかったし、やってよかったと思うものの、お客さんは満員だったけど、あんまり値段は高くしたくないなーって思って値段抑えたら、フツーに2.3万赤字だったし(ゲストにも交通費レベルしかお渡しできなかった。そして手伝ってくれた人も謝礼を遠慮する始末)、来場者の方からは「駅から遠かったです、わかりにくかったです」というご意見をいただき(安い場所を選んだばかりに、すみません)知らん同業者からは「変なセミナーしてる」と陰口を叩かれたので(一生根に持つ)、大きなところと組んでやるのがベターなのはたしかです。手弁当、マジでロクなことがねえ!(ただ、あそこに来てくれた人が一人、その時話したことを参考にして、今は書き手として活動してるというご報告があり、それはめちゃめちゃ嬉しかったです)

 

ところで、このワークショップ、わたしもAコース受講生として参加しています。とても勉強になっています。アーカイブ配信の視聴なら、今からでも受講申し込みできるようです。なお、次回のゲストは劇団雌猫のひらりささんです。

 

この文章書くのも、結構気を使ったんですけど、こういう「気の使い方」も、あんまりよくないんでしょうけどね。

 

じゃあ、またね。