昨年(ちょうどいちねんまえに〜)、「最近のV系を語る会」に出演してくださった、現代美術家の梅津庸一さん。氏が現在大阪府にある国立国際美術館にて、「クリスタルパレス」展を開催しています。(2024年6月4日(火)– 2024年10月6日(日)まで)
本展覧会では、美術家・梅津庸一(1982-)の、2000年代半ばより始まる仕事を総覧します。油彩による裸の自画像、多彩な抽象ドローイング、映像、陶芸、版画などの作品をとおして、梅津はこれまで、日本の美術(制度)史への愛憎半ばする批評的態度を表明してきました。また、その活動は作品制作だけにとどまらず、私塾の開設や、展覧会の企画、非営利ギャラリーの運営、テキストの執筆へも展開しています。彼の多種多様な活動を貫いているのは、「この国で美術家として生きることはいかにして可能なのか」という問いです。本展覧会は、そんな梅津からの問いかけを起点に、「人がものをつくる」という行為の可能性について根本から再考することを目指します。
DIAURAとのコラボレーション(会場限定シングル「unknown teller」)も話題ですね。
「会場限定シングル」の「会場」が美術館というのも、初耳というか、すごいですね。
会期中にには様々なイベントや対談が行われており、その対談相手のひとりとしてお呼ばれしました。梅津さんはとてもヴィジュアル系がお好きな方ですので、美術館でやる意味のある「ヴィジュアル系」のお話ができたらと思います。
梅津さんはいろいろな場所で自身の制作の根底にはヴィジュアル系があると語っています。
個別のバンドへの愛情はもちろんですし(それは去年「V系を語る会」で死ぬほど伺ったので…)、個別の楽曲に着想を得た作品なども見受けられますが、もっと広い意味での影響というか、ヴィジュアル系バンド及びバンドシーンの精神性自体に大きなシンパシーを抱いているように感じます。
以前(昨年のトークイベントより前の話)、梅津さんに「ヴィジュアル系をテーマにした展示はなさらないんですか?」とたずねたところ、「それよりもヴィジュアル系バンドそのものを美術館に連れていきたい(わたしのうろ覚え記憶による意訳)」とおっしゃっていました。当時は「どゆこと?」と思いましたが、今回の展示のDIAURAとのコラボレーションの件を知り「あの人マジでやりやがったよ」とびっくりしました。THE・有言実行すぎ。
わたしは美術や現代美術のことについて、けっして明るくはありませんが、梅津さんのヴィジュアル系に対する過剰ともいえる想いはどこから来るのか、「なぜ、ヴィジュアル系なのか」という点を少しでもひもといていけたらと、勝手ながら思っております。
それではね、9月21日土曜日、大阪は国立国際美術館、14時からお待ちしております。秋は台風がこわい。来ませんように。
https://www.nmao.go.jp/events/event/at_20240921/
開催日 2024年9月21日(土) 開催時間 14:00-
登壇者 梅津庸一×藤谷千明(フリーライター)
藤谷千明 フリーライター
1981年生まれ。ヴィジュアル系やオタク・サブカルチャーについての記事を執筆。
単著にエッセイ「オタク女子が4人で暮らしてみたら。」、対談集「推し問答!」、共著に「バンギャルちゃんの老後」「すべての道はV系に通ず。」など。TBS『マツコの知らない世界』V系回出演。テーマ v系の5年は美術における50年に相当する?
定員 先着80名
当日10:00から整理券配布(1名様につき1枚)参加費 無料
テーマが壮大過ぎる。がんばります。